ご存じだと思いますがWindows 10のサポートは,2025年10月13日で終了します.マイクロソフトはユーザーにWindows 11への移行するように注意喚起をしていますが,あまり進んでいないようです.
StatCounterの集計によると,2025年6月での日本でのWindowsのシェアにおいて,Windows 11のシェアは52.52%で,Windows 10のシャアは45.53%となっています(図1参照).なお,この集計からWindows 11のシェアがWindows 10のシェアを抜いたのが2025年4月になってからだともわかります.
ちなみに世界だと,2025年6月でのWindows 11のシェアは48.89%で,Windows 10のシャアは47.83%となっています(図2参照).

図1.2025年6月での日本でのWindowsのシェア.

図2.2025年6月での世界でのWindowsのシェア.
このシェアの動向を見ても,とても2025年10月13日までに,Windows 10ユーザーの多くがWindows 11に移行するとは思えません.Windows 11へのアップグレードは無料でできますが,今回はWindows 11のアップグレード/インストールに必要な最低システム要件が厳しいため,多くのPCが実際にはアップデートできないことも影響していると思われます(下記がマイクロソフトによって定められた条件です.ChatGPTにまとめてもらいました).
項目 | 最低要件 |
CPU | 64bit 対応プロセッサ(x86-64 または ARM64)、1 GHz 以上、2コア以上 |
メモリ | 4 GB RAM 以上 |
ストレージ | 64 GB 以上(OS と更新用余裕を含む) |
ファームウェア | UEFI 対応、Secure Boot 対応 |
TPM | Trusted Platform Module バージョン 2.0 |
グラフィックス | DirectX 12 以上、WDDM 2.0 ドライバー対応 |
ディスプレイ | HD(720p)以上、9インチ以上のディスプレイ、8ビットカラー |
インターネット接続 | 初回セットアップ時には Home/Pro ともに Microsoft アカウントとネット接続が必要 |

図3.Windows 11のアップグレード/インストールに必要な最低システム要件に関するChatGPTの回答.
マイクロソフトもさすがにこの状況はやばいと思ったのか,個人向けの「Windows 10」延命プログラム「ESU」について無償オプションなるものを6月下旬に発表しました(以前から,有償での延命プログラムは発表されていました).
Microsoft、「Windows 10」延命プログラム「ESU」をテスト開始、個人でもOK、無償オプションも
その延命プログラムの無償オプションの選択肢として,“「Microsoft Rewards」のポイント1,000と引き換え”があります.
「Microsoft Rewards」とは,Microsoftアカウントを持っていれば無料で参加できるロイヤルティ・プログラムで,日常行動でポイントを貯めて特典に交換できるものです.詳しくは,
Microsoft Rewards
https://www.microsoft.com/ja-jp/rewards/about?msockid=13cfdce9f1566f860124c94ef02c6e9e
を参照してください.また,ポイントをためる方法などは下記が参考になるかと思います.
Microsoft Rewards ポイントを獲得する方法
Microsoft rewardsのポイントを効率的に貯める方法と使い道全ガイド
https://lifestyle.assist-all.co.jp/microsoft-rewards-efficient-saving-usage-guide/
「Microsoft Rewards」のポイントはマイクロソフト・アカウントで確認できるようです.私の環境では,ログインしなくてもEdgeのブラウザ上にあるユーザーボタンでも表示されていました(以前,Edgeを使ってマイクロソフト・アカウントにログインしたときの情報を記憶してようです).
ポイントを獲得する方法の一つに「Bingで検索します」があります.もしかしたら,これにより今後3ヶ月間ぐらいの間にBingの検索が増えるかもしれません.
本サイトではBingからの検索流入の割合はおよそ3%以下です.そのため,BingのWebmaster Toolsの登録も実は怠っていました.ですが,生成AIの対策として今年の1月にWebmaster Toolsにちゃんと登録をしました.
なお,生成AI対策としてBingのWebmaster Toolsに登録したのは,もちろんChatGPTへの対策のためです.ChatGPTにDeep ResearchでBingの検索結果を利用しているかを聞いたときの回答は以下のようなものでした
OpenAIのDeep Researchは、Bingの検索結果を利用していますか?
ChatGPT: はい。OpenAIの「Deep Research」は、調査を進める際にインターネット検索を自動で実行します。このとき内部で Bing検索エンジン を用いてオンライン情報を取得・読込し、さらにそれらを分析・統合して報告レポートを生成します 。
つまり、Deep ResearchはBingから得た情報を材料として活用し、それをもとに高度な推論と情報統合を行う仕組みとなっています。リアルタイム情報の取得、引用付きでの回答生成も可能ですが、最終的なアウトプットに向けては単なるキーワード検索以上の多段階プロセスを踏んでいます 。
——補足ですが、Deep Researchは”検索+要約+推論”を繰り返しながら、Bingの検索結果を単なるデータ取得元として扱い、それを基に高度な分析プロセスを構築する形を取っています 。

図4.「OpenAIのDeep Researchは、Bingの検索結果を利用していますか?」に対するChatGPTの回答.
Webmaster Toolsの登録した結果,Bingからの流入が増えたかというとGoogle Analytics 4の計測上は変化を感じません(Webmaster Toolsの表示やクリック数の計測でもこの半年間で大きな変化はありません).ChatGPTからの流入はありますが,それはBingの検索流入よりも少ないです.
上記で,『ポイントを獲得する方法の一つに「Bingで検索します」があります.もしかしたら,これにより今後3ヶ月間ぐらいの間にBingの検索が増えるかもしれません.』と書きましたが,実はそのようなことはない,もしくはごく一部だけに影響するだけだろうと思っています.
特に本サイトの内容は,今からMicrosoft Rewards ポイントを貯める目的でBingを使うようなユーザーが検索するようなものとはかけ離れているとも思います.ですから,本サイトの計測でその影響を観測できるとは思えません.
また,Microsoft Rewards ポイントを貯める方法はBingで検索をする以外の方法もあります.そして,延命プログラムの無償オプションには『「Windows バックアップ」で設定をクラウドに同期する』という選択肢もあります.
どこかでこのマイクロソフトの試作(?)に関する計測などの報告があれば読んでみたいですが・・・.
現状は,マイクロソフトはそこまでしてBing(もしくはOneDrive)を使わせたいのかという感想です.それならば,まずはBingの検索結果の品質を上げる方が大切ではと思いました.