インターネット視聴率調査

アクセス解析などにおいて,通常は運用している自社サイトなどのデータしか分かりませんが,競合他社のデータを知ることができたらそれはかなりのアドバンテージと言えます.そのような情報を知る方法として,インターネットの利用行動を推定したインターネット視聴率調査というサービスがあります.ただし,インターネットを利用する人すべての行動を把握することなど不可能ですから,当然サンプルデータから推定したデータとなっています.また,調査方法もPCのみの計測(パネル方式)に限定されている場合もあります.例えば,スマホ利用者をメインターゲットにするようなサイトの運用をしている場合は,パネル方式のデータを利用しても意味がないのでどのようなデータが必要かをこのサービスを利用する前によく吟味しておく必要があります.

視聴率データを利用する場合はそのもの数値を使うほかに,インデックスという指数を判断基準で用いることが便利だと書籍などで紹介されています.インデックスは,

インデックス = [各項目の比率(シェア)] ÷ [市場全体の比率(シェア)] ×100

で計算します.これは,全体の比率で各項目の比率を割ることで,各項目の比率が相対的に高いか低いかを理解するのに有効な指数となっています.

さて実際にインターネット視聴率のデータを使ってみたいと考えるかもしれませんが,信頼出来そうなデータだとやはり有料サービスを利用する必要があり,そうするとかなりの費用がかかります.無料で似たようなデータがないかと考えると,例えば総務省情報通信政策研究所の研究成果があります.それは年度毎に,

http://www.soumu.go.jp/iicp/research/results/media_usage-time.html

からダウンロード出来ます.

サイトにアクセスしてきたユーザーの属性は,Google Analyticsで「プロパティ設定 > 広告向け機能」でユーザー分布とインタレストカテゴリーに関するレポートをオンにすることで得られます.設定などは,木田和廣氏の書籍「出来る逆引き Googleアナリティクス」の「ワザ053」などが参照になります.なお,この機能を使う場合は,Google Analyticsのポリシーにしたがってとくに注意が必要です.また,このユーザー属性は,Googleが広告ネットワークや,ソーシャルメディアを通じて推測したものなので実際とのズレも当然あります.

このGoogle Analyticsで得られるユーザー属性の年齢情報は,「18歳から24歳」,「25歳から34歳」,・・・となっています.一方で,情報通信政策研究所のデータは「10代」,「20代」,・・・と年齢のカテゴリーが異なっています.残念ながらこの2つを合わせて利用するのは難しい状況です.

参考文献

Interarrows:インターネット視聴率データ(PC) 競合をマクロ的な視点から客観的に俯瞰・分析するインターネット視聴率

http://www.interarrows.com/internet_data/data/

<この記事は「デジマのあれこれ」にて公開された記事(一部改訂)を移植したものです>