Googleデジタルワークショップを取得してみた

昨年(2016年)末頃にGoogleが「デジタルワークショップ(https://digitalworkshop-jp.withgoogle.com/)」というデジタルマーケティングの基礎を無料で学べるサイトを開設しました.23の学習メニューと89のレッスンがあります.すべてのレッスンを受講して,最終テストに合格すると認定証が発行されます.受講して試験を受けてみましたので,このサービスの簡単な紹介をします.

<この記事は「デジマのあれこれ」にて2017年4月頃公開された記事を一部改良して移植したものです>

 

図1.Googleデジタルワークショップ

 

レッスンを受けるには「ログイン」する必要があります.ログインには,Googleアカウントかメールアドレスが必要です(図2参照).私はGoogleのアカウントでログインしたのですが,Googleのアカウントとの直接の紐付けはされないようで,あくまでもデジタルワークショップでの専用の登録のようです(Googleのアカウントにログインしている状態のブラウザで行いましたが,名前の登録などをする必要がありました.また,Googleアカウントからログアウトしても,デジタルワークショップをログアウトしなければ,デジタルワークショップのレッスンは受講できました).現在は,Googleのアカウントと紐付いているようです.

 

図2

 

レッスンを受ける前に興味や職種などのアンケートがあり,それにより「あなた向けのレッスン」が表示されます(正確には,レッスンを含むいくつかの学習メニューが表示されます). ただし,認定試験を受けるには,すべてのレッスンを受講し各レッスンなどの問題を正解する必要あります.

学習メニューは以下の23種があり,学習する順番は自由に選べます.

 

インターネット上でのビジネス機会

オンラインで成功するための第 1 歩

ウェブサイトの活用

メールマガジンの活用

検索エンジンへの対応

検索で見つけてもらう方法 (SEO 第 1 章)

検索の有効活用 (SEO 第 2 章)

検索連動型広告で情報を伝える方法 (検索連動型広告 第 1 章)

検索連動型広告の改善 (検索連動型広告 第 2 章)

ウェブサイトの分析の始め方 (ウェブサイトの分析 第 1 章)

ウェブサイトの分析の活用方法 (ウェブサイトの分析 第 2 章)

実店舗ビジネスのインターネットの始め方 (実店舗ビジネス 第 1 章)

実店舗ビジネスのインターネット活用方法 (実店舗ビジネス 第 2 章)

ソーシャル メディアの始め方 (ソーシャル メディア 第 1 章)

ソーシャル メディアの活用方法 (ソーシャル メディア 第 2 章)

携帯電話 (スマートフォン) の可能性について

携帯電話 (スマートフォン) 向け広告

ディスプレイ広告の始め方 (ディスプレイ広告 第 1 章)

ディスプレイ広告の活用方法 (ディスプレイ広告 第 2 章)

海外への展開

動画の有効活用

e コマースの構築

インターネット上での販売促進

 

学習メニューにはいくつかのレッスンで構成されており,各レッスンにはビデオとそのビデオの内容を書き起こしたテキストがあります(図3参照).ビデオは,すくなくとも私が視聴したものは日本語でした(アナリティクスアカデミーのように英語で日本語字幕を選択するとかではなく,日本人が出演して日本語で話していました).私は最初はビデオを1.5倍速とかで見ていましたが,途中から時間短縮のためテキストを読むだけに変えました(テキストはビデオ下の「説明を表示する」で読めます).

 

図3

 

レッスンが終わった後にそのレッスンの実践問題を解きます(図4と5参照).問題の形式はいろいろあり間違えてもかまいません.間違った場合は,戻って正解するまで何度も挑戦できます.最後に認定証をもらうため(最終試験を受けるため)には,すべての問題を正解しておく必要があります.レッスンの終了判定は,問題を正解することで行われます.また,各学習メニューの最後には章末問題があり,これも最終試験を受けるためにはすべて正解を導いてクリアしておく必要があります.章末問題は複数の問題(すべて選択問題です)で構成されていて,各問題で正解と思われるものをすべて選択すると解答が合っているかを確認できます.ここで間違えた問題あると,戻って解き直すことになります(間違った問題が指摘されるので,それを修正して再度確認します).

 

図4

 

図5

 

ビデオが日本語であったことからもアナリティクスアカデミーとは違い日本にローカライズされていると思ったのですが,一部のレッスンの実践問題は英語での出題でした(図6参照).なんでこんな中途半端な状態なのかは不明です.

 

図6

 

また,一部問題文の表現などは曖昧な印象を受けました.そして内容的にどうなの?と思うこともありました.例えば,図4は学習メニュー「動画の有効活用」内のレッスン5「動画共有サイトにおける広告手法」の実践問題です.テキスト書き出すと下のようになります.

問題:菊池さんは、動画広告をさらに活用したいと考えています。自分のブログの読者は、家で料理を作ることが多く、有名なシェフが出ている TV 番組や料理動画を好んで視聴していることがわかりました。 Google アドワーズでどのキーワードを設定するべきでしょうか?

選択肢:家庭料理,TV出ているシェフ,講義動画,料理動画,シェフ,TV番組

この問題の正解は,図5のように「家庭料理,TVに出ているシェフ,料理動画」の3つを選択することになります.ですがこれって本当でしょうか?私がキーワード「TVに出ているシェフ」での広告を見て,そのシェフに興味がありその広告をクリックして「菊池さんのブログ」が開かれたとしたら,「なんだこれ?」となると思います.いくら「読者が有名なシェフが出ている TV 番組や料理動画を好んで視聴している」ことがわかっていても,そのシェフと関係ない人のブログなどに飛ばされるのはあまり気持ちいいものではないと思います.そこから興味を持ってもらえる人はいるとは思いますが,それ以上に多くの人には不快に感じることになるのではないでしょうか?これは評判を落とすリスクが高い施策な気がします.

さて23の学習メニューと89のレッスンとすべての問題をクリアすると(図7参照),最終試験を受けることが出来るようになります.最終試験に合格するには70%正解する必要があり,最大3回まで受験できるそうです(図8参照).出門形式は章末問題と同じ形式で,全部で40問ありました.制限時間とかは特にないようでした.

 

図7

 

図8

 

試験は無事に1回で合格しましたが.ただ,正解率が何パーセントとか章末問題とは違いどこが間違ったのかなどはわかりません(図9参照).

 

図9

 

最終試験に合格すると認定証(pdfファイル)がダウンロードできます(図10と11参照).

 

図10

 

図11

 

この認定証が本当に役立つかとはかなり微妙ですが,デジタルマーケティングの基本的な学習の目安や復習と意味で取得するもの悪くはないと思います.