Google Analyticsの検索に関する流入を細分化するセグメント

1.はじめに

今回は,Google Analyticsの流入で検索(Search)に関係するチャネルを細分化して集計するセグメントを紹介したいと思います.記事「Google Analyticsでリファラー内の参照元「search.yahoo.co.jp」を自然検索のチャネルとして集計するセグメントを作る」で書いたように,YahooのSSL化で一時的にデフォルトチャネルグループで「Referral」に流れてしまった検索に該当する流入も当然集計されるようにしています.細分化する方針としては,まず検索の流入を参照元で分割します.そのあとリスティング広告としてAdWordsとYahoo!プロモーション広告を行っていると仮定し,参照元「google」と「yahoo」を自然検索(Organic Search)と有料検索(Paid Search)にさらに分割するセグメントです.

なお,この記事の内容は記事「Google Analyticsでリファラー内の参照元「search.yahoo.co.jp」を自然検索のチャネルとして集計するセグメントを作る」と「Google Analyticsの新しいセグメントを作る場合の条件の考え方」を理解していることを前提としています.

 

2.セグメント“チャネル「自然検索 or 有料検索」”

 

図1

 

まず,図1が検索に関する流入のセグメントの集合とします.この集合には,YahooのSSL化で一時的にデフォルトチャネルグループで「Referral」に流れてしまった検索に該当するセグメントも含まれているとします(記事「Google Analyticsの新しいセグメントを作る場合の条件の考え方」の図4の赤色の枠で囲った集合に有料検索の集合を加えたものと考えてください).図1の集合に該当するセッションを集計するセグメント“チャネル「自然検索 or 有料検索」”の条件設定は,図2のようになります.このセグメントは

チャネル「自然検索 or 有料検索」

https://analytics.google.com/analytics/web/template?uid=rX8_T3TjT-Ob0GN14zCA1Q

から取り込めます.

 

図2

 

3.セグメント“チャネル「自然検索 or 有料検索」&参照元「google」”など

図1の検索に関する流入のセグメントの集合を,参照元が「google」と「yahoo」と「being」と「Docomo」とこれら以外の「other」に分割します.その概念図が図3です.いま前提条件として有料検索はAdWordsとYahoo!プロモーション広告のみを行っているので,参照元が「google」もしくは「yahoo」以外に有料検索に該当する流入はありませんが,上で作ったセグメント“チャネル「自然検索 or 有料検索」”をベースにして作ることにするので,参照元が「google」もしくは「yahoo」以外の場合にも“チャネル「自然検索 or 有料検索」”と書いています.

 

図3

 

図3の 薄緑色の領域の“チャネル「自然検索 or 有料検索」&参照元「google」”は,検索流入(チャネルが検索と分類されるセグメント)でかつ(AND)参照元が「google」に該当するセッションの集合に該当します.この集合を集めるセグメント“チャネル「自然検索 or 有料検索」&参照元「google」”の設定は図4のようになります.このセグメントは

チャネル「自然検索 or 有料検索」&参照元「google」

https://analytics.google.com/analytics/web/template?uid=L0mu3hSIQESjC1EgQ9-18g

から取り込めます.なお,上記のセグメントはGoogleからの流入のみを集計するので,YahooのSSL化で一時的にデフォルトチャネルグループで「Referral」に流れてしまった検索に関係する条件なども削除してしまっても当然かまいません(記事「Google Analyticsの新しいセグメントを作る場合の条件の考え方」参照).追加出来る条件には上限があるので,必要に応じて対応してください.

 

図4

 

図4のセグメントを作成する場合,図1の“チャネル「自然検索 or 有料検索」”をコピーして(図5参照)追加の条件を加えることで作成します.このように分割していくようなセグメントは,まず大元の集合に該当するセグメントを作って,それをコピーし条件を追加していくことで作成していくとわかりやすく楽になります.

 

図5

 

同様にして作成したセグメントは以下から取り込めます.

チャネル「自然検索 or 有料検索」&参照元「yahoo」

https://analytics.google.com/analytics/web/template?uid=K9NiFhRiQKCw5YG1pf4_Qw

チャネル「自然検索 or 有料検索」&参照元「bing」

https://analytics.google.com/analytics/web/template?uid=Jv_LCQtSRQadv4UfhcVCSA

チャネル「自然検索 or 有料検索」&参照元「Docomo」

https://analytics.google.com/analytics/web/template?uid=Bja4-xLYSV2CAXTVgrjCOA

チャネル「自然検索 or 有料検索」&参照元「other」

https://analytics.google.com/analytics/web/template?uid=fqWEl5YASd2Bps-a7JntAg

なお,セグメント“チャネル「自然検索 or 有料検索」&参照元「other」”は,参照元「google」と「yahoo」と「being」と「Docomo」のどれにも当てはまらないもの(参照元に「google」もしくは「yahoo」もしくは「being」もしくは「Docomo」を含まないもの)となります.この場合の条件の設定は図6のようにします.なお,上記のセグメントはYahooからの流入は含まないので,YahooのSSL化で一時的にデフォルトチャネルグループで「Referral」に流れてしまった検索に関係する条件なども削除してしまっても当然かまいません(記事「Google Analyticsの新しいセグメントを作る場合の条件の考え方」参照).追加出来る条件には上限があるので,必要に応じて対応してください.

 

図6

 

4.セグメント“チャネル「自然検索」&参照元「google」”など

最後に,参照元「google」もしくは「yahoo」の集合を,自然検索と有料検索に分割します.図7がその概念図です.

 

図7

 

例えば,参照元「google」の自然検索ならば,設定は図8のようになります.つまり,図4の“チャネル「自然検索 or 有料検索」&参照元「google」”の設定で,有用検索に該当する「Paid Search」のチャネルを取り除くだけです.このセグメントは

チャネル「自然検索」&参照元「google」

https://analytics.google.com/analytics/web/template?uid=q4imYUSeSpudsg6y1K7RTQ

から取り込めます.なお,上記のセグメントはGoogleからの流入のみを集計するので,YahooのSSL化で一時的にデフォルトチャネルグループで「Referral」に流れてしまった検索に関係する条件なども削除してしまっても当然かまいません(記事「Google Analyticsの新しいセグメントを作る場合の条件の考え方」参照).追加出来る条件には上限があるので,必要に応じて対応してください.

 

図8

 

残りのセグメントも同様に考えれば良く,

チャネル「有料検索」&参照元「google」

https://analytics.google.com/analytics/web/template?uid=y4Re7KmKRZ-3WGUxE-H4NA

チャネル「自然検索」&参照元「yahoo」

https://analytics.google.com/analytics/web/template?uid=kW9dFNWYSC6MtmFtC7QGGQ

チャネル「有料検索」&参照元「yahoo」

https://analytics.google.com/analytics/web/template?uid=juefpK4IRRybGDmztRnOQA

から取り込めます.

セッションを細分化できるセグメントを紹介しましたが,どうだったでしょうか?ちょっとコツをつかめば,一見複雑そうなセグメントも簡単に作成できると思います.

<この記事は「デジマのあれこれ」にて2017年6月頃公開された記事を移植したものです>