Google Analyticsの新しいセグメントを作る場合の条件の考え方

1.はじめに

記事「Google Analyticsでリファラー内の参照元「search.yahoo.co.jp」を自然検索のチャネルとして集計するセグメントを作る」にて,Yahoo!検索のSSL化移行で一時的にデフォルトチャネルグループ「Referral」に分類されてしまった参照元が「search.yahoo.co.jp」を自然検索のチャネルとして集計するセグメント“チャネル「自然検索(リファラー・search.yahoo含む)」”(図1参照)を紹介しました.今回は,このセグメントを例にしてセグメントを作成するとき条件をどのように考えるかを説明したいと思います.

 

図1

 

2.セッションの集合からセグメントを作る考え方

いまサイトへの流入のセッションをデフォルト チャネルで分類すると,「Organic Search」と「Referral」と「Social」と「Direct」だったとします.そのセッションの集まり(集合)を,領域として図2のように表すことにします(また,領域の大きさはセッション数の大きさを表すことにします).

 

図2

 

図2において参照元が「search.yahoo.co.jp」の流入が,デフォルトチャネルグループ「Referral」に分類されてしまった状況を図3とします.つまり,セグメント“チャネル「自然検索(リファラー・search.yahoo含む)」”とは,図4の赤色の枠で囲まれた領域のみを取り出そうとするセグメントです.

 

図3

 

図4

 

図4の赤色の枠で囲まれた領域のみを取り出すには,図5の緑色の枠で囲まれた領域から,図6の紫色の枠で囲まれた領域を取り除けばよいとわかります.それが,セグメント“チャネル「自然検索(リファラー・search.yahoo含む)」”で与えた条件なのです.図7はセグメント“チャネル「自然検索(リファラー・search.yahoo含む)」”の設定ですが,図4と5と6の内容それぞれに該当する箇所に同じ色の枠を与えています.

 

図5

 

図6

 

図7

 

3.各条件内容の確認

それでは各枠の条件を見ていきましょう.まず,緑色の枠に該当する条件です.これは図5で示したようにチャネル「Organic Search」もしくは「Referral」のどちらかに分類される領域に該当します.したがって,セグメントの条件設定で,フィルタを「セッション」を「含める」と選択し,「デフォルト チャネルグループ」が「Organic Search」に「完全一致」と「OR(もしくは)」で「デフォルト チャネルグループ」が「Referral」に「完全一致」でつなげて1つのフィルタを作ります.

次に,図6の紫色の枠で囲まれた領域を考えます.ここは「デフォルト チャネルグループ」が「Referral」に「完全一致」かつ「参照元」に「search.yahoo.co.jp」が「含まれない」領域です.記事「Google Analyticsでリファラー内の参照元「search.yahoo.co.jp」を自然検索のチャネルとして集計するセグメントを作る」の図2で示したように,該当する流入の参照元には「search.yahoo.co.jp」と「wrs. search.yahoo.co.jp」が存在するので「完全一致」ではなく「含む(含まれない)」を使います.そして,図6の紫色の枠で囲まれた領域は,図5の緑色の枠で囲まれた領域から取り除きたいのです.したがって,新しいフィルタでは「セッション」を「除外する」と選択し,「デフォルト チャネルグループ」が「Referral」に「完全一致」し「AND(かつ)」で「参照元」に「search.yahoo.co.jp」が「含まれない」つなげて1つのフィルタを作ります.

図7の緑色の枠内のフィルタ(条件)と紫色の枠内フィルタ(条件)は「AND」で繋がります.つまり,“「緑色の枠内のフィルタ(条件)」AND 「紫色の枠内フィルタ(条件)」”という構造です.

注意としてフィルタ(条件)は上から実行されます.したがって,各フィルタを記述する順番が重要です.図4と5と6で示したように領域(集合)を考えることで,どのような順番にすれば良いかがイメージしやすくなると思います.元となる大きな領域(集合)を最初に与え,そこから該当するものを絞り込んでいくというイメージでセグメントの条件を与えるとうまく作成できるようになると思います.

 

<この記事は「デジマのあれこれ」にて2017年6月頃公開された記事を移植したものです>