広告運用をしていてかつGoogle Analyticsでその流入も計測している場合,その広告のリンク先URLにはGoogle Analyticsの手動タグと呼ばれるコードを追加する必要があります.そうしないと,広告をクリックしてきた流入なのにReferralのチャネルなどに分類されてしまいます.
目次
1.手動タグが必要な場合
Googleの広告であるAdWordsはGoogle Analyticsとリンクできる設定があり,リンクによって自動タグ設定を有効にした場合は広告のリンク先URLに手動タグを設定する必要はありません.ただし,AdWordsとGoogle Analyticsがリンク設定されていない場合や自動タグ設定が無効にしている場合は,広告のリンク先URLに手動タグを設定しないと,Google AnalyticsはAdWordsの広告からの流入と認識しはしてくれますが,クリックされた広告がなにか(キャンペーン名やキーワード)などの情報が取得されません.AdWords以外の広告(Yahooプロモーション広告など)では,広告のリンク先URLにGoogle Analyticsで有料広告からの流入と判断させるためには必ず手動タグをつける必要があります.
Google Analytics計測用の手動タグの基本ルールは以下のようになっています.
手動タグのパラメータ
パラメータ | 表示 ディメンション | 内容 | サンプル |
utm_source(必須) | 参照元 | 検索エンジン名,参照元 | google, yahoo |
utm_medium(必須) | メディア | 広告の種別 | cpc, display, banner, mail |
utm_campaign(必須) | キャンペーン | キャンペーン名 | 任意に付けたキャンペーン名 |
utm_term | キーワード | キーワード | (検索広告の場合はキーワードを設定) |
utm_content | 広告コンテンツ | 広告のタイトル | (任意の広告タイトル) |
注意:参照元とメディアとキャンペーンが必須扱いにされていますが,なくても取得情報が欠損するだけになるだけ(欠損するのは結果として問題のなのですが)で,計測やアクセスができなくなるということではありません.特に,昔はキャンペーンは必須扱いではなかった気がします.
2.手動タグの設定方法
例えば,Yahooプロモーション広告で,
キャンペーン名:AAAAA
キーワード:CCCCC
ランディングページのURL:http://example.com/inquiry.html
という検索連動型広告を出したい場合,Google Analyticsで計測するための手動タグとして,
utm_source=yahoo&utm_medium=cpc&utm_campaign=AAAAA&utm_term=CCCCC
と記述して,上記のランディングページのURLの後に「?」を付けて,
http://example.com/inquiry.html?utm_source=yahoo&utm_medium=cpc&utm_campaign=AAAAA&utm_term=CCCCC
となります.「?」以下は「&」でそれぞれのをつなげます.キャンペーン名やキーワードに日本語が含まれている場合は,文字コードを変換したものを使います.コードの変更は
URLエンコード・デコードフォーム
などで行えます.
例えば,上記の例でキャンペーン名が「ブランド名広告」とした場合,
%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E5%90%8D%E5%BA%83%E5%91%8A
とエンコードして,
http://example.com/inquiry.html?utm_source=yahoo&utm_medium=cpc&utm_campaign=%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E5%90%8D%E5%BA%83%E5%91%8A&utm_term=CCCCC
とします.
3.手動タグでの注意事項
アナリティクスの手動タグの設定を間違えて広告を配信してしますと,アナリティクスでは正しく集計されません.アナリティクスで集計されたデータは修正出来ないので,アナリティクスの画面上ではその誤ったデータがずっと表示されることになります.また流入者のクッキーが更新されない限り,その誤った設定で流入したユーザーの訪問は,その誤った情報でずっと集計され続けます.したがって,間違いが無いように注意をしましょう.
参照元とメディアとキャンペーンの情報となる「utm_source」と「utm_medium」と「utm_campaign」のタグは必ず付ける必要があります(昔は参照元とメディアのみが必須だったような記憶がありますが現状上記の3つが必須とされています).
リスティング広告においてキーワードの情報に該当する「utm_term」を使う場合は,入稿したキーワードを基本つけます.上記の例ですと「utm_term=CCCCC」に該当する部分です(もちろんキーワードが日本語ならばコード変換をして,それをつけます).この「utm_term」を用いると,クリックされた広告に対応する入稿したキーワードの情報がGoogle Analyticsに記録されます(完全一致のキーワードならば,クリックされたキーワードと入稿したキーワードが一致していますが,それ以外は異なります).一方でパラメータ「utm_term」を用いない場合は,アナリティクスでは有料検索クエリ(該当する広告をクリックしたユーザーが,検索時に実際に打ち込んだ言葉)の情報がGoogle Analyticsに記録されます(現在のYahooはSSL化したので,それによりどうなったかは未確認です).
ランディングページのURLに「?」が含まれる場合や,アナリティクスの手動タグ以外のタグを必ずリンク先URLに付けることが条件としてあるためURLにすでに「?」が含まれている場合は,アナリティクスの手動タグを「&」を用いて後ろにつなげます(URLには「?」の記号は1つのみ使用して,それ以下のタグはすべて「&」でつなげる).例えば,上記の例でタグ「id=1234」を必ずリンク先URLに付けてくれと依頼された場合は,
http://example.com/inquiry.html?id=1234&utm_source=yahoo&utm_medium=cpc&utm_campaign=AAAAA&utm_term=CCCCC
とします.
4.補足説明
検索連動型広告の場合は「cpc」を用います.したがって,「utm_medium=cpc」となります.
ディスプレイ広告の場合は「display」を用いましょう.AdWordsの自動リンクでは検索広告とディスプレイ広告を自動的に判別してくれますが,それ以外では判別されません.したがって,「utm_medium=display」となります.
大文字と小文字の区別もあります.つまり,デフォルトのメディアに関しては「CPC」や「Cpc」などは使ってはいけなく,すべて小文字の半角英字をつかってください.
Yahooプロモーション広告の場合は「yahoo」を用います(すべて小文字の半角英字).したがって,「utm_source=yahoo」となります.
AdWordsで自動タグを用いない場合では,「utm_source」やその情報に関係する箇所に必ず「google」を用います.
Googleが適用しているURL生成ツールは
アナリティクスヘルプ URL生成ツール
にあります(実際は,場所が変わってhttps://ga-dev-tools.appspot.com/campaign-url-builder/になったようです.現在英語表記のみですが,使う分には問題無いと思います).
<この記事は「デジマのあれこれ」にて公開された記事を移植したものです>