「Google Analyticsの最近注目すべき変化・その1」では,Google Analyticsはユーザーという視点を重要視するということ表れだと思われる新しい動きについて紹介しました.今回も同様にユーザー視点を重要視した動きと,さらに人工知能(AI)活用への動きについて紹介したいと思います.
<この記事は「デジマのあれこれ」にて2017年7月頃公開された記事を一部改良して移植したものです>
目次
1.ユーザー分析
Google Analyticsのプロパティ設定に「ユーザー分析」というオン・オフできる機能が追加されました.そこに書いてある説明では図1のように「レポートでユーザー指標を有効にする 標準レポートにユーザー指標を追加し,ユーザー指標の計算を更新します」と書かれています.通常は「オフ」の状態になっています.これを「オン」にしてみます(図2参照).
ユーザー分析を「オン」の状態にして,「集客 > すべてのトラフィック > チャネル」のレポートを開くと図3のようになります.
ちなみに,ユーザー分析を「オフ」の状態での「集客 > すべてのトラフィック > チャネル」のレポートは,図4のようになります.
つまり,ユーザー分析が「オフ」ときは「セッション」が指標として一番最初に表示されていたが,「オン」のときは「ユーザー」という指標が一番最初に表示されるようになります.まさにユーザー視点を重要視したレポートとなるわけです.
「Google Analyticsの最近注目すべき変化・その1」で紹介したセグメント「直接セッション」を図3のレポートに追加すると,図5のようになります.
なお,ユーザー分析のオン・オフの切り替えは自由で,「オン」にした後に「オフ」に戻せばこれまでのように「セッション」という指標が中心の内容に戻ります.このユーザー分析の機能は,まだいろいろと問題があるようです.詳しくは衣袋氏がWeb担当者フォーラムで連載している記事「【速報】GAにこっそり増えていた重大な新機能「ユーザー指標」とは? 今すぐに有効にするべきか否か」が参考になります.
2.人工知能とセッションの品質
さて,最後は人工知能(AI)に関することです.ECzineのある記事に注目すべきことが書かれていました.その記事は「機械学習による「CVへの近さ」の点数化 Googleの無料A/Bテストツールが正式版に」なのですが,注目すべき箇所は会員登録などしないとみられません.
私が注目したのは,人工知能(機械学習)を用いた「セションの品質」というスコアリング機能が追加され,CVに近いほどスコアが高くなるというものが見られるようになったことです.このセッションの品質はユーザーIDに紐付けられて分析できるらしいです(ここでもユーザーというものが重要視されているのがわかります).
ただこの機能は,一ヶ月あたり1000回以上のコンバージョンがあるようなサイトでないて見ることができないそうです.これは人工知能(機械学習)を用いるため多くのサンプル(データ)を必要とするため仕方なさそうです(Googleが無料版のGoogle Analyticsを使っているような個別のサイトを直接精査してカスタマイズするようなことはないので,機械学習に任せるにはサンプル数はどうしても多く必要になるのはしかたないのでしょうね).
ともかくGoogleはGoogle Analyticsにおいて集計データではなく非集計データを扱っていくステージへの移行を進めているようです.