Google Search Consoleのデータ変動の謎を解く:「&num=100」パラメータ廃止が指標に与えた影響のやさしい解説(ただし注意事項参照)

ウェブサイトのパフォーマンスレポートを見て、「インプレッションが急に減った!」「平均掲載順位が不自然に良くなった!」と驚いたことはありませんか?2025年9月に多くの人が経験したこの現象は、サイトの順位が変動したわけではありません。このドキュメントでは、その原因であるGoogleの技術的な変更を、ウェブ分析を学ぶあなたに分かりやすく解説します。

 

1.謎のデータ変動:あなたのSearch Consoleで何が起きたのか?

2025年9月11日頃、多くのウェブサイト運営者がGoogle Search Console(GSC)のレポートで、まるでジェットコースターのような不可解なデータ変動を目にしました。もしあなたのサイトでも同様の現象が見られたなら、それはあなただけではありません。多くの人が観測した主な変化は以下の2つです。

  • インプレッション数の急激な減少 特にPCでの検索において、これまで安定していたインプレッション(表示回数)が突然、大幅に減少しました。ある分析によれば、実に87.7%ものサイトでインプレッションの減少が観測されるという、広範囲にわたる現象でした。
  • 平均掲載順位の急激な上昇(改善) インプレッション数が減少したのと全く同じタイミングで、平均掲載順位を示すグラフが急上昇し、数値が大幅に改善したように見えました。

これらの変動は、サイトのパフォーマンスが実際に悪化したり、急に向上したりしたことを意味するわけではありません。これは、レポートの「見え方」が変わっただけであり、その裏にはGoogleによる一つの技術的な変更が隠されています。次のセクションで、その原因を解き明かしていきましょう。

図1.サーチコンソールの画面(2025年9月11日を境に,インプレッション数が減少し.平均掲載順位が上昇していることが見て取れる)

図1.サーチコンソールの画面(2025年9月11日を境に,インプレッション数が減少し.平均掲載順位が上昇していることが見て取れる)

 

2.真犯人の正体:「&num=100」パラメータとは何だったのか?

このデータ変動の「真犯人」は、Googleが廃止した &num=100 というURLパラメータです。これは、Googleが公式に提供していた機能ではありませんでしたが、SEO業界にとっては非常に重要な役割を担っていました。

このパラメータを検索結果ページのURLの末尾に追加すると、通常は10件ずつ表示される検索結果を、1ページに100件まとめて表示させることができました。主にSEOツール開発者や一部の上級ユーザーが、検索順位を効率的に調査するために利用していました。

この非公式な機能が、なぜこれほど大きな影響力を持っていたのでしょうか?

  • SEOツールにとっての価値 多くの順位チェックツールは、この &num=100 パラメータを技術的な基盤として利用していました。たった1回のリクエストで1位から100位までのランキングデータをすべて収集できたため、データ収集を極めて効率的かつ安価に行うことができました。
  • Googleによる廃止 2025年9月11日頃、Googleはこの機能を予告なく廃止しました。これにより、100位までのデータを取得するためには、10件表示のページを10回リクエストする(ページをめくる)必要が出てきたのです。

では、なぜGoogleはこの長年利用されてきた非公式機能を廃止したのでしょうか?その背景には、いくつかの戦略的な動機があると分析されています。

  1. インフラ負荷とコスト管理 1回のリクエストで100件もの結果を返すことは、特に自動化されたボットからの大量アクセスに対して、Googleのサーバーに大きな負荷をかけていました。この変更は、Google自身の巨大なインフラを維持するためのコスト管理の一環と考えられます。
  2. 大規模な自動スクレイピングの抑制 このパラメータは、順位追跡ツールやAIシステムが効率的にデータを収集するための「開かれた扉」でした。この抜け道を閉じることで、Googleは第三者による大規模なデータ収集を意図的に非効率化し、コストがかかるようにしたのです。
  3. データ支配力の強化 非公式なデータ収集を困難にすることで、Googleは開発者たちを公式のAPI(管理され、将来的には有料化される可能性もある)へと誘導しようとしています。これは、検索データのエコシステムにおける自社の支配力を強化する戦略的な動きと見られています。

この一見小さな変更が、なぜSearch Consoleのインプレッション数を激減させ、平均掲載順位を急上昇させたのでしょうか。その具体的な仕組みを、次のセクションで掘り下げていきます。

 

3.なぜデータは水増しされていたのか?:ボットによるインプレッションの仕組み

まず、Google Search Consoleが定義する「インプレッション」について理解することが重要です。公式の定義によれば、インプレッションとは「検索結果にあなたのサイトへのリンクが表示されたとき」に1回としてカウントされる指標です。

この定義を念頭に置くと、&num=100 パラメータを使っていたSEOツールの自動ボットが、どのようにしてインプレッション数を人為的に「水増し」していたかが見えてきます。

  1. ボットによる自動検索 SEOツールは、顧客のサイトのキーワード順位をチェックするために、&num=100 パラメータを付けたURLでGoogle検索を自動的に実行します。
  2. 100件の結果を一度に表示 このリクエストにより、検索結果の1位から100位までが、すべて1ページ上に表示されます。
  3. 見えない順位でのインプレッション発生 実際の人間ユーザーであれば、2ページ目、3ページ目と進まなければ決して目にすることのない深い順位(例えば67位や85位など)も、このボットのアクセスによって「表示された」ことになります。その結果、GSCはこれを「インプレッション」としてカウントしてしまっていました。
  4. 「ボット由来のインプレッション」による水増し この仕組みにより、実際のユーザーの可視性をはるかに超えた「ボット由来のインプレッション」が大量に発生し、GSCのデータが長年にわたって水増しされていたのです。
  5. &num=100 パラメータの廃止は、この水増しされていたインプレッションを一掃しました。そして、この「水増しインプレッション」の消滅が、もう一つの指標である「平均掲載順位」が劇的に改善したように見えたカラクリの鍵を握っています。

 

4.平均掲載順位「改善」のカラクリ:加重平均で理解するデータの正常化

多くの人が見落としがちな重要な事実として、GSCの平均掲載順位は、単純な平均ではなく、インプレッション数に基づいた「加重平均」で計算されています。これは、インプレッション数が多い順位が、計算結果により大きな影響を与えることを意味します。

&num=100 パラメータの廃止「前」と「後」で、この計算がどのように変わったのかを、以下のテーブルで見てみましょう。

シナリオインプレッションの内訳加重平均の計算式算出される平均掲載順位
廃止前(水増しデータ)実際のユーザー: 1,000回 (平均8位)

SEOツールボット: 5,000回 (平均67位)

(1,000回 × 8位 + 5,000回 × 67位) / (1,000 + 5,000)約57.2
廃止後(正常化データ)実際のユーザー: 1,000回 (平均8位)

SEOツールボット: 0回

(1,000回 × 8位) / 1,0008.0

 

このテーブルが示す核心は明らかです。

サイトの順位が実際に上がったのではありません。計算式の分母と分子から、価値の低いノイズ(SEOツールボットによる低順位の大量インプレッション)が消えたことで、数値が本来あるべき姿に「正常化」しただけなのです。

つまり、あなたのサイトの平均掲載順位は、以前から本来「8.0位」に近い実力を持っていたにもかかわらず、ボット由来のノイズによって、本来の実力よりも低い「57.2位」へと人為的に押し下げられていた、と考えることができます。

 

5.まとめ:これは「データの正常化」である

&num=100 パラメータの廃止によって引き起こされた一連のデータ変動は、サイトのパフォーマンス低下を意味するものでは決してありません。むしろ、長年続いてきたSEOツールのボットによるデータの水増しが取り除かれた、データの「浄化」または「正常化」と呼ぶべきイベントでした。

この出来事は、私たちウェブ分析の学習者にとって、非常に重要な教訓をいくつも与えてくれます。

  1. 指標の定義を理解する重要性 「インプレッション」や「平均掲載順位」といった指標が、具体的にどのように定義され、計算されているかを知ること。これが、数字の裏側を正しく解釈するための絶対的な第一歩です。
  2. ユーザー行動に近い指標に注目する 今回の大きな変動の中でも、「クリック数」はほとんどのサイトで安定していました。そして、クリック数 ÷ インプレッション数 で計算される「クリック率(CTR)」は、分母であるインプレッションが減少したことで、計算上、自然に上昇しました。これは、インプレッションのような「見られた可能性」の指標よりも、ユーザーの実際の行動に最も近い指標(クリック、コンバージョン)を重視するべきであるという原則を改めて示しています。
  3. 新しいベースラインの設定 2025年9月11日以降のGSCデータは、それ以前のデータよりもはるかにクリーンで、実際のユーザー行動をより正確に反映しています。今後の分析では、この日を境に「新しい基準値(ベースライン)」を設定し、過去の汚染されたデータと比較する際には注意が必要です。

今回の出来事は、ただ数字を眺めるだけでなく、その裏にある「なぜ?」を常に問い続ける分析的思考がいかに重要であるかを示す、またとない好例と言えるでしょう。加えて、非公式な機能(ハック)に依存するリスクと、自動化されたツールの挙動ではなく、真のユーザーエンゲージメントを反映した指標にこそ価値があるという、普遍的な原則を私たちに教えてくれます。

 

注意事項(この記事の真実)

さて,気付いた方もいるかもしれませんが,上記の記事はGoogleの生成AIサービスを使ったものです(ただし,図1はこちらで用意したモノです).具体的には,NotebookLMでDeep Research機能で『「num=100」パラメータを非公式機能として廃止の影響とサーチコンソールのデータ』でソースを見つけてもらい,そのソースを元に作ってももらったレポートです.

上記のレポートを作ったプロンプトは以下のようなものでした.

ウェブ分析の基礎を学ぶ学生向けに、「インプレッション」や「平均掲載順位」といったGoogle Search Consoleの主要な指標が、SEOツールの自動ボットによってどのように人為的に水増し(インフレート)されていたかを説明する文章を作成してください。加重平均の計算例などを使い、なぜ「&num=100」パラメータの廃止によってデータが「正常化」されたのか、その仕組みを理解しやすく解説することを目的とします。

このプロンプトもNotebookLM自体が用意してくれたモノです.

このレポート作成はGemini3.0とNano banana Proがリリースされた後なので,NotebookLMのインフォグラフィックとスライド資料の機能も同時に行ってみたのですが,「現時点で利用できません。復旧に向けて作業を進めています。」と表示されて使えない状態でした.

図2.NotebookLMのインフォグラフィックとスライド資料の機能が「現時点で利用できません。復旧に向けて作業を進めています。」の状態

図2.NotebookLMのインフォグラフィックとスライド資料の機能が「現時点で利用できません。復旧に向けて作業を進めています。」の状態

 

それにしても生成AIの進化のすごさを感じる結果となりました.

今回レポートを合計4種類作らせたのですが,それらをまとめたファイルを用意して,そのファイルを元にChatGPTにコンテンツマーケティングの記事作成を依頼してみました.結果は,最初は箇条書きが多いモノでしたので,もう少し読み物形式にしてくれと依頼した結果を下記「Google「&num=100」パラメータ廃止でSEOはどう変わる?」に示しておきます.

どちらが好きかは個人の好みがあるかと思いますが,NotebookLMでのレポートに比べてChatGPTのままとめはかなり薄味だと感じました.

 

Google「&num=100」パラメータ廃止でSEOはどう変わる?

2025年9月。Googleがひっそりと行った仕様変更が、検索データの世界に大きな揺らぎをもたらしました。Search Consoleのインプレッション数が急に減ったり、平均掲載順位が急に良くなったりした――あの奇妙なグラフの動きは、多くの担当者を不安にさせたことでしょう。しかしこの出来事は、サイトの評価が変わったわけでも、Googleのアルゴリズムが突然更新されたわけでもありません。むしろ、長年にわたり歪んでしまっていたデータが、本来の姿へ戻った瞬間だったのです。
本記事では、この現象の背景にあった「&num=100」パラメータの廃止を、初心者から中級者までが理解しやすいよう、ストーリーとして読み解いていきます。そして最後には、これからの分析やSEO戦略にどのように向き合うべきかを、読み物として自然に理解できるよう構成しました。
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■ 1. 便利すぎた“裏技”が消えた日
「&num=100」というパラメータをご存じでしょうか。検索結果のURLにこれをつけると、通常10件ずつ表示される検索結果を、1ページに100件まとめて表示できるようになるという、知る人ぞ知る“裏技”でした。
Googleが公式に提供していたわけではありませんが、SEOツールにとっては欠かせない存在でした。なぜなら、100位までの順位を一度のリクエストで取得できるため、短時間で大量のデータを収集することが可能だったからです。順位チェックツールが日々の運用を支えてきたのは、この“非公式の機能”のおかげでした。
しかし2025年9月、Googleはその裏技を静かに封鎖します。これまで一度で取得できていた100位分のデータは、10回に分けて取得しなければならなくなりました。これが、あの大きなデータ変動の前触れでした。
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■ 2. Search Console の数字が揺れた本当の理由
「インプレッションが急に減ってしまった……」 「平均掲載順位が突然良くなった……」
もしあなたがこのように感じたなら、それはまさに“正常な反応”です。しかしその理由は、あなたのサイトの評価が下がったからでも、急に順位が上がったからでもありません。Search Consoleの数字を裏で支えていた“土台”が入れ替わったため、見え方が変わってしまっただけなのです。
鍵となるのは、「インプレッションは、検索結果にあなたのページが“表示された”ときにカウントされる」というルールです。
これまでは、SEOツールのボットが100件まとめて検索結果を読み込んでいました。すると、人間のユーザーが決して到達しないような深い順位――たとえば67位や85位といった場所でも、Search Console上では「表示された」とカウントされてしまっていたのです。
その結果、生まれていたのが「水増しされたインプレッション」。そして低い順位のインプレッションが大量に記録されることで、Search Consoleの平均掲載順位は実際よりも悪く見えてしまっていたのです。
つまり今回の変更は、長年積み重なっていたノイズが一掃され、データがようやく“正直な姿”を取り戻した瞬間だったと言えます。
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■ 3. SEOツールの裏側で起きていた混乱
ただし、この変化はSearch Consoleだけに影響したわけではありません。むしろ動揺が大きかったのはSEOツール側です。
100件を一度に取得していたツールは、これからは10回に分けてアクセスしなければならなくなりました。これは単純に「10倍の負荷」を意味します。サーバーコスト、APIの利用量、通信量――あらゆるものが増大しました。
その結果、一部のツールでは – ランキング追跡の深度を100位から50位、20位に縮小 – 取得頻度の低下 – 料金体系の見直し といった変化が見られるようになっています。
これは今後さらに進む可能性があり、SEOツールを使った分析の常識が変わりつつあることを示しています。
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■ 4. では、私たちはどう向き合うべきか?
今回のデータ変動は、SEOに携わる多くの人に“焦り”を与えました。しかし実のところ、これは焦るべき出来事ではなく、むしろ“再出発のチャンス”とも言えるタイミングです。
まず何より大切なのは、過去のインプレッション数と現在のインプレッション数を比較しないことです。2025年9月11日を境に、データの意味が変わってしまったため、単純な比較はまったく意味を持ちません。むしろこれからの数値を新しい基準として捉え、そこでの推移を丁寧に見ていく必要があります。
さらに、これまで以上に注目すべきは「実際のユーザー行動を示す指標」です。
クリック数はどうか? CTRはどうか? その先のコンバージョンはどうか?
こうした指標こそが、ユーザーの意図とサイトの価値を反映します。インプレッションという“見られた可能性”ではなく、ユーザーが実際に取った行動に目を向ける――このシフトこそ、今回の変化が私たちに教えてくれる最大の学びです。
そして最後に、ページ1(1〜10位)の価値がより明確になりました。ページ2以降のインプレッションが消えたことで、1ページ目に掲載される重要性がデータとしてはっきり見えるようになったのです。これからの施策は、トップ10入りを目指すコンテンツ改善や内部リンクの整理など、より本質的な取り組みにエネルギーを集中させるべきでしょう。
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■ 5. 終わりに:データが正直になっただけ
突然のインプレッション減少。突然の順位改善。
最初は驚くかもしれません。しかしこの変化は、あなたのサイトの価値が変わった証拠ではありません。数字が本来あるべき姿に戻っただけです。
GoogleがAI主導の検索体験へ移行しつつある今、SEOはますます“数字のテクニック”から離れ、ユーザーにとっての価値を丁寧に積み上げる方向へと進んでいます。今回の変更は、その大きな流れの中で起きた一つの象徴的な出来事でした。
これを機に、検索順位を見るSEOから、ユーザー価値を生むSEOへ。そんな視点の転換を促す出来事として、今回のデータ変動を前向きに捉えていければと思います。